我々日本PMIパートナーズは国内唯一のセクター特化型のヘルスケア専門バイアウトファンドで、医師資格を有するメンバーを含む専門チームが投資先企業を支援している。
今回から実際の投資事例を紹介する。第一回は、介護事業者として日本初の上場企業であるロングライフホールディングスである。
〇会社概要
ロングライフホールディングスは、老人ホーム運営・訪問介護・リゾートをグループで展開し、シニア向けサービスを多面的に提供する企業である。
- 主力事業:訪問介護と富裕層向け有料老人ホーム
- 事業エリア:関西
- 売上規模・従業員数:売上高 約125億円(2022/10月期)、従業員約2400人
- グループ会社:日本ロングライフ株式会社(高級老人ホーム)、エルケア株式会社(在宅介護)、ロングライフリゾート株式会社(リゾート)
- 略歴
◦ 2010年代半ばまでは営業利益率3〜5%で安定推移
◦ 2015年以降、積極投資と借入拡大、コロナ禍の入居・会員減少により収益性・財務の安定性が悪化 - 競争環境
◦介護保険制度導入(2000年)後、大手(SOMPO、学研など)の参入で競争が激化する中、明確な勝ち筋を描けずにいた。
〇投資した理由
- 第一に、地域での信頼・ブランド力を背景に独自のポジションを築いており、事業強度があったこと。
- 第二に、Value Creationの打ち手が明確だったこと。
◦ ディールクロージング前からPMIを設計し、収益成長やバランスシートの最適化(ノンコア資産の整理)を通じたエクイティ価値向上の余地と、将来の買収打診増加を見込めた。 - 第三に、弊社ネットワークを活用した相対取引により、TOBプレミアムを21.6%に抑制(2022年の市場平均約43%)し、リターンの確度を高められると判断したこと。
〇投資先自社の課題と解決方針
- 財務基盤の不安定さ
◦投資前からPMIに着手し、リファイナンス等を通じて財務基盤を健全化 - 事業ポートフォリオの最適化
◦事業内容・提供エリアの選択と集中により、経営資源の最適配分を実現 - オペレーションの属人化・非効率性
◦現場にハンズオンで関与し、DXとデータ活用を軸にオペレーションを高度化
◦訪問介護サービスにおいては標準化された支援である、加算取得を支援
◦収益性と成長性の両立を図る
〇実際のリターン(進捗)
オペレーション改善と財務の安定化を通じて力強い成長を実現しつつあり、Exitに向けてもアップサイドを見込んでいる。
