引っ越したら、新しい病院で「また一から検査をやり直し」。旅行中に救急搬送されたとき、飲んでいる薬を正確に伝えられなかった——。そんな「情報の分断」による不利益を、あなたも一度は経験したことがあるかもしれません。それを解消しようとするのが「電子カルテ情報共有サービス(EHRS)」です。
電子カルテ情報共有サービス(Electronic Health Record Sharing Service、EHRS)とは、全国の医療機関・薬局・患者が、標準化された診療情報を相互に参照・共有できる国の情報基盤です。「3文書(診療情報提供書・退院時サマリ・健康診断結果報告書)」と「6情報(傷病名・アレルギー情報・感染症情報・薬剤禁忌情報・検査情報・処方情報)」を、国際標準フォーマット(HL7 FHIR)で登録・共有します。
EHRSは「医療DX令和ビジョン2030」の中核インフラとして位置付けられており、全国22医療機関でのモデル事業を経て2026年度冬の本格運用が目指されています。2026年度診療報酬改定では、EHRSへの接続体制整備が新加算「電子的診療情報連携体制整備加算」の算定要件として明確に位置付けられました。
医療機関にとっては患者の過去の診療履歴・薬剤情報をリアルタイムで参照できるようになることで、重複投薬の防止や救急時の迅速な対応が可能となります。長期的には医療AIの精度向上や医薬品開発の加速にも貢献すると見られており、日本の医療の質そのものを底上げする基盤として期待されています。
投資家視点では、EHRSの本格普及は医療機関のシステム更新需要を生み出すとともに、患者データの二次利用・医療AIへの応用を推進する基盤として中長期的な投資機会を内包しています。
日本PMIパートナーズの視点
電子カルテ情報共有サービスの普及は、医療機関の経営効率化だけでなく、在宅医療・訪問看護との情報連携を飛躍的に改善します。当社は医療ICT領域(ホスピタルネット)への投資を通じて、こうした情報基盤整備の恩恵を直接享受できるポジションにあります。
