我々日本PMIパートナーズは国内唯一のセクター特化型のヘルスケア専門バイアウトファンドであり、医師資格を有するメンバーを含む専門チームが投資先企業を支援している。
今回も実際の投資事例の紹介を行う。第四回は、医療法人のDXを支援する株式会社プレアデスセブンである。
現在、日本の一般病院における電子カルテ導入率は約65%にとどまり、電子処方箋や医療情報の本格的な共有も発展途上にある。政府は医療DXを国家戦略として位置づけているが、公式文書でも、高いシステムコスト、病院ごとに分断されたIT環境、そしてDXを担う人材不足が、現場実装を阻む構造的課題として指摘されている。国際的に見ると、その立ち位置はより明確である。アメリカでは約96%、イギリスでは90%以上の病院が電子カルテを導入しており、医療DXは標準インフラとして定着しつつある。これらの国々と比較すると、日本は依然として移行段階にあり、大きな伸びしろを残している市場と言える。
〇会社概要
株式会社プレアデスセブンは、電子カルテと連動する医療DXプラットフォーム「ここりんく」を全国の医療法人に提供している。病院内に分散して存在する各種データを統合・可視化・分析することで、医療現場の業務負担軽減と病院経営の改善を支援している。
- 主力事業
・病院経営プラットフォーム「ここりんく」の開発・導入・保守・運用支援
・医療・介護機関向けDX支援および経営支援コンサルティング事業 - 事業エリア
・日本全国(熊本本社を拠点に、全国の病院・医療機関向けに展開) - 従業員数
・約10名 - 沿革
2017年7月:株式会社システムクレオにて「ここりんく」プロジェクト始動
2020年5月:同社のここりんく事業部を法人化し、株式会社プレアデスを設立
2021年5月:株式会社プレアデスセブンへ社名変更
〇投資理由
- 当社の独自ネットワークを活用した相対取引により、適正価格での投資が可能だったこと。
- 投資時点で、30病院・6,000床以上への導入実績を有しており、導入先病院からの評価も高かった。プロダクトの実用性と継続的な成長可能性が既に一定程度検証されている点を評価した。
〇投資先企業における価値創出の取り組み
- プロダクト開発支援
・企画から開発、運用までを一貫して支援し、品質・スピード・コストを安定化。
・開発とサポートをつなぐ体制を構築。 - 営業・事業開発支援
・医療業界の経営層ネットワークを活かし、導入を促進。
・リース子会社との資本業務提携をアレンジし、強力な販売チャネルを構築。 - 収益改善機能の実装
・従来のコスト削減(DX)だけでなく、「病床稼働率の向上」に直結する経営管理・地域連携機能を追加。
・中小病院への普及加速:導入期間の短縮と低価格化を実現し、日本の病院のボリュームゾーンである中小病院が導入しやすいモデルへと転換させた。 - ポートフォリオ企業との連携(株式会社ホスピタルネット)
・共通基盤化/クロスセルで、1施設あたり売上を最大化 。
・両社ともに病院向けシステムを提供していることから、プラットフォーム連携を推進。これまで外注していた健診システム領域の開発を内製化し、開発スピードの向上。
〇今後の展望
今後は、事業シナジーの高い企業との業務提携を推進しつつ、パッケージ版プロダクトの品質向上と顧客基盤の確立を図り、Exitを見据えた中長期的な企業価値向上を目指していく。
