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介護職の賃上げは、現場に届いたのか——処遇改善拡大から2か月、人材危機の現在地

News Letter 2026年9月

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あなたの親を、誰が世話をするのか。その担い手である介護職員の数が、2023年、統計開始以来はじめて減少に転じた。人が集まらなければ、どれだけ制度を整えてもケアは回らない。

2026年6月、過去最高水準となる臨時の介護報酬改定が施行され、社会保障審議会・介護給付費分科会で介護職員等処遇改善加算が大きく拡充された。訪問介護では最大28.7%という高い加算率が新設され、これまで対象外だった訪問看護では1.8%、訪問リハビリテーションでは1.5%、居宅介護支援では2.1%と加算対象が拡大された。目標とする賃上げ幅は月額1万円をベースに、最大で月1万9,000円とされる。施行から2か月が経った2026年8月には、賃金改善の実績報告書・中間報告書の提出手引きが示されるなど、制度は“配る”段階から“検証する”段階へ移りつつある。

背景にあるのは、深刻な人材不足だ。2024年7月公表の「厚生労働省第9期介護保険事業計画に基づく推計」によれば、介護職員は2022年度の約215万人から、2026年度に約240万人、2040年度には約272万人が必要とされる。2026年度までは年間6.3万人ペースでの新規増員が求められる計算だが、実際には職員数が減少に転じており、需給ギャップは開きつつある。賃上げは、この流れを押し戻すための切り札として位置づけられている。

ただし、加算はあくまで「取りにいく」ものであり、算定要件を満たし、計画書と実態を一致させ、実績を報告できる事業者にしか届かない。処遇改善は制度設計と現場運営の両輪であり、事務・ICT体制の弱い小規模事業者ほど恩恵を取りこぼしやすい構造もある。

日本PMIパートナーズの視点

人材が集まる事業者と、そうでない事業者の差は、これから急速に広がる。当社は訪問看護・在宅ケア事業への投資とPMI・DX支援を通じて、加算を確実に取得し、働き手に還元できる経営基盤づくりを支援してきた。賃上げ原資を「制度から現場へ」きちんと流す実行力こそ、これからのヘルスケア投資の価値の源泉だと考える。

参考文献

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